縁を大切に|ビールで地に活力を①
「体にやさしい食を届けたい」「本当に良いものを作りたい」と、
大江ノ郷と思いを共にする生産者さんたちが集まる「とりのひとマルシェ」より
出品者様のご紹介記事を作成しています。
ぜひ私たちと一緒に生産者さんたちを応援していただけると幸いです。
みなさん、クラフトビールはお好きですか?
私は、作られたところの土地柄がビールの中に凝縮されているような気がして、好きです。
鳥取県内にいくつかビール醸造所がありますが、今回の舞台は鳥取県鳥取市鹿野町。
のどかな田園の広がる中山間エリアに、2022年リニューアルオープンしたAKARI BREWING(アカリブリューイング)。そこの醸造長である、清部 直樹(せいべなおき)さんにお話をお伺いしました。
あかり本願衆との出会い
縁もゆかりも何もなかった鳥取へ、前職の人事異動でやってこられた清部さん。3年たった頃、前職の事業撤退を機に退職。「何かやるならこのタイミングしかない」との思いに突き動かされ、色々なものを見たり、人と会ったりしていたそう。
そんな中、鹿野町でビール事業を本格化するのに、中心となる人物を探している話を耳にしました。
元々、鹿野町でのビール事業は、「あかり本願衆(あかりほんがんしゅう)」という町おこし団体が手がけていました。あかり本願衆とは、鹿野町を盛り上げる活動をする地元青年団。その団体代表がビール好きだったため「クラフトビール作りたいよね」といったのが立ち上げの経緯だったとか。当初、ビール製造は別の醸造所へ委託して作ってもらっていました。その後、地元にビール醸造所を作り本腰を入れて活動することになったため人を探していたところ、清部さんとの出会いに至りました。
▲⿅野を盛り上げるイベントの企画・実⾏や、⿅野の伝統を守り伝えていく活動などを⾏う「あかり本願衆」。
縁もゆかりもなかった地で、ビール作りスタート
清部さんは、ビール製造は全くの未経験だったそう。そこからほぼ一人で事業化に向けての準備を進めることになったのです。
研修や手続き等を経てやっとの思いで創業したのは、2018年。1、2年はレシピ考案から醸造までほぼ一人。その後、2022年には、新店舗へ移転。醸造量も5倍に増え、事業拡大を果たしました。
▲AKARI BREWINGの⾃家醸造ビールの第1弾「GINGER BROWN ALE」 (ジンジャー ブラウンエール)
▲ginger brownaleに使用される、日光生姜。
「ginger brownale」 鳥取市気高町日光で栽培される日光生姜を使用。山肌に開けられた「生姜穴」で保管された生姜は、適度な湿度と15℃前後の温度に保たれ5ヶ月間熟成。余分な水分が抜けて辛みが増しコクのある「自然熟成 日光生姜」が出来上がります。そんなこだわりの生姜を丁寧にスライスして作った、ピリリと刺激ある味わいのビールです。
地元の副産物で、新しい道を
また、AKARI BREWINGでは2014年より、今まで見つかっていない酵母で何かできるかもしれないと考え、地元の自然素材から酵母の採取を行い、地元の大学と共同研究をしています。
▲鹿野町城跡公園は桜の名所です。
研究成果が実を結び、醸造所エリアである鹿野町城跡公園内の桜の花びらから採取されたラカンセア酵母を使った、爽やかな酸味のあるサワーエールが完成しました。サワーエールは乳酸菌を添加して酸味を出すのが一般的な作り方。発酵段階で独特の酸味が加わったのは嬉しい発見だったそうです。
「あかり本願衆の頃から、地元の副産物を使って何かできないかとやってきたことで新しい道が見つかりました。」 と、清部さん。
その他にも、鳥取で生産される桃やブラックベリーなど、地元の産物を使ったビール作りに積極的です。
元々は縁もゆかりもなかった鹿野町を拠点に、ビール作りをされる清部さん。今では地域産業を発信するキーパーソンとなっています。
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- 投稿者:
- kikaku