30年の感謝と新たな挑戦
いつも大江ノ郷自然牧場ご愛顧いただきありがとうございます。
お陰様で当牧場はこの五月で丸30年が経ちました。
お客様、地域の皆様に支えていただいたおかげで今日があります。心よりお礼申し上げます。
30年前、29歳だった私は、ふわふわの可愛いひよこを山小屋で飼い始め、希望に夢を膨らませていました。
当時の生活はというと、朝はひよこの世話から始まり、日中は大工さんと鶏舎の建築、夕方はまたひよこの世話に戻り、夜になればアルバイトをして食いつなぐ…という毎日でした。
その頃のことは、本当に懐かしく、若かったなぁと思います(笑)
また同時進行で美味しい「天美卵」のための餌の開発もしていました。
ひよこが卵を産み始める秋までにコッコの餌を完成させないとなりません。
餌の開発のために、まずは試験用の小屋作りから始まります。
その後、先輩農家から譲ってもらった10羽ほどの鶏に餌を与え、産まれた卵の味を試食し改良する、という試行錯誤を重ねていました。
配合飼料が当たり前の時代に、無添加で一から作っていたため正解がわからない中でしたが、両親に相談したり専門書を読みあさりながらも、ようやく納得できる配合が完成しました。
その後、コッコに成長したひよこが、そのオリジナルの餌を食べ、ようやく産まれた卵が天美卵です。
もちろん、これで完成したわけではなく、その後ももっと安全でもっと美味しい卵を作りたいという思いで研究に研究を重ねてきました。
その甲斐あって天美卵は年々美味しくなり、今では全国の多くの皆様に喜んでいただけるようになりました。
手前味噌ですが、天美卵の美味しさは全国屈指と自負しておりますので、この味は今後も守り続けてまいります。
今では有難いことに飼育係もコッコと会話できるほど成長してくれました。
ここから先は次世代へバトンを渡すべく、コッコのこと、そして安全な餌づくりも彼らに任せて、美味しい天美卵をお届けすることをお約束します。
そして、これを機に、私自身は新たなことへの挑戦を決意しています。その挑戦とは「カカオ豆から作るクラフトチョコレート職人」です。
実は以前から現役最後にもう一度、一からものづくりをしたいという夢があり、この度10年以上前から心に秘めていたチョコレート作りに挑戦することにしました。
この歳で未経験のことを始めるのは無謀と言われるかもしれませんし、カカオ豆から作るクラフトチョコレートはとても繊細で素人が始められるほど簡単ではありませんが、私自身はとてもやりがいを感じています。
天美卵を作り始めた29歳のときのように失敗も沢山ありますが、試行錯誤を重ね、いつか皆さまに美味しいチョコレートをお届け出来る日を夢見て頑張って参ります。
私のチョコレートへの思いについては、次回以降のたよりでもお伝えさせていただきます。
皆様には、還暦前の私の挑戦を温かく見守って頂き、もし宜しければご声援をいただけますと本当に励みになります。
コッコ共々どうぞ宜しくお願い申し上げます。
感謝
- 投稿者:
- Hiroko Takaki